ぼくの親戚や祖父母、また他学部の学生と放射線に関係した話をするとこんな質問がくるときがあります。
あなたはこの質問の答えがわかりますか?
放射線について普段から触れていないひとはわからないのではないでしょうか。今回はこの「レントゲンとX線」について書いてきます。

質問の答え
レントゲンとX線は同じものです。
そしてレントゲン写真とX線写真も同じと考えてもらって大丈夫です。同じものなんですが、どちらかといえば「X線」という言葉が本物です。
レントゲンは人の名前
レントゲンというのはX線を発見した人の名前なんです。彼の本名はヴィルヘルム・コンラート・レントゲン(Wilhelm Conrad Röntgen)です。1895年にX線を発見、その功績から第1回目のノーベル物理学賞を受賞しました。
放射線を勉強している人ならX線を発見した彼を知らないひとはいません。それくらいの超有名人です。またレントゲンが撮影した、指輪をしている手の写真もとても有名ですね。
X線は発見されてからすぐに医学へ応用されました。なぜなら、X線をつかうことで体の中を見ることが出来るからです。「切る」という方法をとらずに体の中をみることができるこの発見は世界をおおきく驚かせたでしょう。
また、レントゲン博士が生きていたときからすでにX線はレントゲンと呼ばれることがあったようです。1895年から約120年間くらいX線=レントゲンだったわけですね。
ぼくは放射線技師の仕事を説明するときも「レントゲン写真」という言葉をつかってしまいます。X線写真という言葉よりも一発で理解されやすいからです。
ついでに「MRIとかCTもつかえるの??」という質問もおおくされるのですが、放射線技師はMRIもCTも使えます。
レントゲン[ R ]という単位があった!
偉大な人の名前は単位として使われることがよくある。レントゲン博士もそうなりました。
彼の名をとったレントゲン[R]という単位は存在します。しかし現在はつかわれていません。
Rは照射線量という量の単位に使われていました。1[R]=2.58×10^-4[C/Kg]です。
マニアックな数字だと思うので覚えなくて大丈夫です。この照射線量は吸収線量(グレイ[Gy])とは意味が異なるのでそこは注意してください。
ちなみに放射線に関係したほかの単位グレイ[Gy]、ベクレル[Bq]、シーベルト[Sv]、キュリー[Ci]これらも人の名前が単位になっています。
(1[Ci]=3.7×10^10[Bq]ですが、Ciも現在は一応使われていません。)
11月8日は記念日!
11月8日はレントゲンがX線を発見した日とされています。国際的にもその11月8日を「レントゲンの日」として各国の放射線学会が連携して祝う記念イベントが開催されています。日本では日本医学放射線学会が2012年から記念行事が開催されているようです。
それとは別に放射線技師会では「レントゲン週間」を定めているようです。
公益社団法人日本診療放射線技師会では、1895年11月8日のW.Cレントゲン博士によるX線発見を記念し、毎年11月2日~11月8日の一週間を『レントゲン週間』と制定しています。
レントゲン博士によるX線の発見は、我々診療放射線技師にとっては単に歴史的な重要性を持つばかりでなく、職業の起源となる記念すべき日でもあります。
このX線に代表される放射線は医療や科学の発展に多大な貢献をもたらし、特に医療分野においては放射線の利用なくして医療が成り立たないといっても過言ではありません。
しかし、東日本大震災に伴う原子力発電所事故による負のイメージから、放射線に対する不安が国民に広がってしまいました。
このような状況下において、放射線の専門家である診療放射線技師は、医療における放射線の管理者として、正しい知識を皆様にお伝えするとともに、医療現場における私たちの仕事を知っていただくためのイベントを企画しています。全国各地で様々なイベントが開催されます。ぜひご参加ください。
http://www.jart.jp/index.htmlより引用
このイベントに参加したことはありませんが、とりあえず11月8日は記念日だそうです。
まとめ
レントゲンとX線は認識としては同じ意味!
正確にはレントゲンはX線を発見した人の名前であり、X線は放射線の名前!
単位の名前にもレントゲンが使われていた!
11月8日は記念日「レントゲンの日」!!
