放射線などをつかって身体を検査する方法は生きているひとに使用されるだけでなく、亡くなった方に対しても行われる場合があります。
こんかいは近年の医療ドラマ、映画でも扱われるようになってきた『Ai』について書いていきます。
Aiとは
Ai【Autopsy imaging】は日本語で死亡時画像診断とやくされます。人工知能のAIと区別するために”アイ”を小文字で表記することになっています。
日本語訳のとおり「亡くなったときに画像診断すること」を指し、CTやMRIなどの画像診断装置をつかって亡くなったひとの身体を検査し死因究明などに役立てる手法です。
Aiという言葉があらわれたのは2000年であり、チーム・バチスタの栄光が知られるようになった2005年ころから”Ai”として検査が行われるようになりました。しかし救急の現場ではその前からもAiが実施されていたようです。
Aiが導入される前
ドラマでよく聞く「解剖」は身体の表面をしらべて(検視)のあとに必要であるばあいに行われる。しかし解剖があっての死因究明法には数の限界があることも最近のドラマ、映画では説明されることがおおい。
ラジエーションハウス5巻によると
日本では毎年100万人以上の方が亡くなっています。そのなかで身体の表面をしらべても亡くなった原因がわからない人の数は全体の15%くらいと言われているそうです。15万人のなかで実際に解剖がおこなわれるのはせいぜい2万人程度なのだそう。
2018年4月の時点で法医学会の認定を受けている医師は140人、この人数で約15万人を担当するのは無理ですよね….
この現状を打開するために実践されてきたのがAiであるといえます。
だれが・どこがAiを依頼するのか
Aiには個人からの依頼、病院からの依頼、弁護士、警察からの依頼による案件があるようです。近親者の死になっとくできない場合、病院に不信感をもっていることが多くAiの実施が行われます。いぜんは遺族に医療関係者がいたケースがほとんどだったが、現在ではそれ以外のひとからの依頼も増えているようです。
また病院が医療安全に高い関心をもっていて、お互いを守るために自主的にAiを行う施設も増えてきているようです。
警察や裁判所では第三者の意見が必要になるため、客観的な証拠をえるためにAiを依頼するケースがあります。犯罪の見逃し防止にもつながります。
謎の究明だけにつかわれるものではない
Aiと聞くと「死因究明のための手法」が頭に浮かぶひとがおおいと思いますが、Aiが活躍できる場所はそこだけではありません。
アンナチュラルのドラマでも出てきましたが、大規模災害がおきたときの「身元確認」です。生きている間に撮影したCTや胸部・歯のX線写真とAiの画像を比較することで身元確認に役立てるかもしれません。